ガソリン価格の高騰が高止まりしている昨今。常日頃から運転している車乗りや、旅行などで長距離移動するファミリーにとってガソリン価格の高止まりは手痛い出費です。
できることなら少しでも安く入れたいというのが本音ですが、ふと考えた時に「地元より出張先のほうがガソリンが安い!」とか「旅行で山に来たけどガソリンスタンドの値段設定高くない…?」と、思ったことはありませんか?
結論からいうと、大きな理由として製油所からの輸送費用によって変動することがあげられます。日本の各拠点にある、ガソリンを精製する工場からの輸送コスト(人件費や輸送車のガソリン代など)によるということですね。
それ以外の要因などの詳細は次項から詳しく解説していきます。併せてお役立ち情報についても紹介していきますので、ぜひ参考にして下さい。
ガソリン価格が地域によって異なる理由は?
前述の通り、ガソリンの価格設定が県などの地域ごとに異なるのは、ガソリン製油所からの輸送コストによるところが大きいといえます。そのほか、ガソリンスタンドの運営するための土地代や人件費、競合相手(他のガソリンスタンド)の有無によって最終的な価格が決定されます。
上の図は石油連盟が公表している製油所の所在地ですが、これらの所在地に近い都道府県は価格が安くなる傾向にあります。
※製油所はガソリンだけを精製しているわけではないので、原油処理能力は参考程度に。
続いて、都道府県ごとのガソリン価格ランキングを紹介します。
ガソリン価格ランキング
資源エネルギー庁が公表している「卸価格調査概要」より、都道府県ごとのガソリンの卸値を参照することできます。
ここからガソリン価格が安い県トップ5と、ガソリン価格が高い県ワースト5のランキングをそれぞれ作成してみました。
※表示している価格は平均値で消費税は含まれていません。また、この価格は仕切価格なので、私たち消費者が実際に給油する際に見るリッターあたりの単価よりは安価にみえます。(実際は仕切り価格から卸業者や小売業者の利益が上乗せされます)あくまで参考としてご覧ください。
※データは 2024年(令和5年)8月分 のものを参照しています。
ガソリン価格が安い県トップ5
1位 愛知県 136.0円/L
2位 東京都 136.1円/L
2位 神奈川県 136.1円/L
4位 千葉県 136.3円/L
5位 三重県 136.3円/L
ガソリン価格が高い県ワースト5
42位 富山県 139.9円/L
42位 石川県 139.9円/L
44位 徳島県 140.1円/L
45位 沖縄県 140.2円/L
46位 鹿児島県 140.6円/L
47位 長崎県 141.6円/L
いかがでしょうか?月によって順位に変動はあるものの、先に紹介した通り、製油所と近いところほど上位に位置する傾向があり、逆に、製油所から離れていたり、山間部が多かったり、離島を有する県は下位に位置する傾向が高いということが分かります。
なお、県境を越えたタイミングでガソリン価格が変動することがあるため、お得に給油したいのであれば、どの県が安くどの県が高い傾向にあるかというのは覚えておくと良いでしょう。
例えば、東京都から長野県に旅行するときに、目的地である長野県で給油をするより、経由地である埼玉県で給油をしたほうがガソリン代を節約することができます。(ガソリン価格は長野県よりも埼玉県のほうが安く設定される傾向にあります)
高速道路のガソリンスタンドはなぜ高い?
本題とは少し逸れますが、高速道路のサービスエリア(以下SA)に併設されているガソリンスタンドについても触れておきましょう。
高速道路を使った車での長距離移動において、ガス欠は深刻な問題です。そうならないために、SAには一定の間隔でガソリンスタンドが併設されているわけですが、リッター単価がやけに高いなと思ったことはありませんか?
事実、高速道路のガソリンスタンドでは通常と比べ10~20円ほど上乗せされた単価が設定されているのです。
主な要因は、以下の通りと考えられています。
- 24時間営業のため、人件費がかかる
- ガソリン給油以外のサービスが基本的に無い
- 競合相手がいない
順番に見ていきましょう。
24時間営業のため、人件費がかかる
高速道路は、事故などによる封鎖が起きない限り24時間365日通行が可能です。そのため、ガソリンを給油したい人向けにスタンドも常に開けておく必要があります。(ただし、全ての店舗が24時間営業というわけではない)
そしてその殆どがセルフ式ではなく、対人型のフルサービスとなります。こういった人件費などが、販売価格に転嫁されていると思われます。
ガソリン給油以外のサービスが基本的に無い
通常のガソリンスタンドであれば、洗車や整備、車検のほか、場合によっては車両販売なども行っていますが、高速道路上のスタンドでは給油とタイヤ空気圧の点検以外サービスを基本的には行っていません。
では、なぜサービスを行っていないのか?答えは、単純に需要がないからです。(SAのスタンドで洗車や車検をわざわざやろうとは思いませんよね?)
通常のスタンドで行っているサービスで利益をあげることができず、高速道路のスタンドはガソリン販売1本で運営していく必要があるため、その結果として販売価格が上乗せされることになるのです。
競合相手がいない
高速道路のガソリンスタンドは、基本的に1つのSAに1件のみ営業しており競合相手がいません。言い方はあまりよくありませんが高くても勝手に客は入ってくるものだと考えられているのです。
これは、山間部や人気の少ない町にあるスタンドの価格が高めに設定されていることと同じであると考えてよいでしょう。
以上のことより、高速道路でのガソリン給油をする際には、通常よりも高い出費を覚悟しなければなりません。
しかしながら、ガス欠の懸念を感じたら、もったいぶらずすぐに給油を行う意識を持つようにして下さい。
万が一高速道路上でガス欠を起こした場合、非常駐車帯などに上手く停められればまだいいですが、高速道路のど真ん中や路肩に停車する(停車してしまう)可能性も考えられます。
ですが、この行為はとても危険なことであり、絶対にやってはいけません。
しかも、場合によっては違反となります。
高速道路での事故は命に直結します。たかだか数百円のために、ドライバーおよび同乗者の1つしかない命を天秤にかけるような真似はしないよう、安全意識を強く持つことが大事です。
【おまけ】給油口の位置の確認方法
最後に、覚えておくと安心の予備知識をご紹介します。
給油のためガソリンスタンドに入ったものの、
「あれっ、車の給油口って左側?右側?どっちだっけ?」
となってしまった時は、慌てることのなくメーターパネルのガソリンメーターのアイコンに注目してみて下さい。
アイコンの左横に三角マークがありますね。この写真の場合、給油口は左側にあります。
逆に、アイコン右横に三角マークがある場合は右側に位置していることになるわけです。
レンタカーなどで事前に給油口の位置を把握していなかった場合などに使えますので、覚えておくといいでしょう。
まとめ
今回は、ガソリン価格の地域差が生じる理由についてご紹介しました。その主たる要因についておさらいします。
- ガソリン製油所の拠点からの輸送コスト
⇒拠点から近いほど安く、遠いほど高くなりやすい - ガソリンスタンドの土地代や人件費
⇒都市部(特に中心地)に向かうほど高くなりやすい - 競合相手(他のガソリンスタンド)の有無
⇒山間部や離島、高速道路などスタンドの数が少ない場所ほど高くなりやすい - 深い山や離島を有するか
⇒輸送コストおよび競合相手の理由と同じ
各ガソリンスタンド運営会社の方針にもよるところがあるため、一概にすべてのスタンドに当てはまるとはいえませんが、遠出をする際、事前に目的地や経由地などのガソリン平均価格を把握しておくことで、燃料費を上手に節約することできます。
軽油で走るディーゼル車や、よく利用するガソリンスタンドの会員になったりカードを発行するなどの節約方法もありますので、「ガソリン代の出費がキツいなぁ…」という方は、車のパンフレットやスタンドの情報をチェックしてみましょう。
全国ガソリンスタンドの最新価格情報を掲載しているサイトもあるので、こちらの利用もおすすめです。
また、高速道路のガソリンスタンドの場所や営業時間などについてはNEXCO西日本などでも公開していますので、利用時には参考にしてみて下さい。
それでは、引き続き楽しいカーライフを過ごしていきましょう。
★よければ1clickお願いします★
人気ブログランキング
■各種出展
・石油連盟 <https://www.paj.gr.jp/>
・経済産業省 資源エネルギー庁 <https://www.enecho.meti.go.jp/>
・NEXCO西日本 <https://www.w-holdings.co.jp/>
・ガソリン価格比較サイト gogo.gs <https://gogo.gs/>